竹富島・火傷八月十ニ日 -壱-最後の日、竹富島へ泳ぎに行こうと誘われて、ひろみと和子 の三人で島へ渡った。 何しろ強い陽射しで、一時間でも陽射しを受けようものなら火傷をし てしまい、夜には風呂に入れないどころかベッドで寝返りを打てないという ほど大変な事になる。 竹富島は石垣島より石垣島らしい島で、台風の被害から家を守る為に大き な石を積み上げて家を囲っている。 防風林も家の周りを囲んでいて、暑い陽射しも遮断する生活の知恵で 家は災害から守られているのである。 海から上がって、シャワーを浴びようにも近くの民家に行かないと設 備がない。 観光客の為の物売りもいない、本当に静かで島全体が自然と言う感じ の素晴らしい所へ連れてきてもらった。 砂は浜には、我々三人だけの貸切状態。 「長く海に浸かってちゃダメよ!」 「どうして?」 「火傷しちゃうから!」 「火傷?」 「ええ、そう火傷よ!」 あわてて海から引上げる。 ひろみと和子はちゃんとTシャツを着込んでいる。 いつまでも居たいところだが、自然を満喫した所で戻る事になった。 |